記憶の庭
2011年9月8日 施工事例
そんな時ながれる少し切なく、そして幸福な時間。
そんなひとときをくれる景色が庭にあったら・・・・。そんな想いからこんな庭ができました。
細長いお庭。ここに切り取った景色を表現してゆきます
ポイントになる遠景の山を小端積みで。ひとつずつ想いをこめて
近くの竹林は版築と呼ばれる工法で。山砂に石灰や藁などをよく混ぜた物を少しずつ層になるように突き固めてゆきます
何度も繰り返します
既製の材料では表現できない温もりの園路。こつこつと繊細な作業です
ここの土間は「三和土」(たたき)仕上げ。手間はかかりますがコンクリートにはない素朴な仕上げです。もちろん雑草も生えません!
だんだん見えてきましたね。里山の緑を配して完成です。
門掛けのヤマコウバシが出迎えてくれます
石の小道を奥へ進めばハイノキとナツハゼ。秋には見事な紅葉を見せてくれます。
その木立の下にはさらさらと流れる小川
水辺を彩る緑たち
濡縁デッキとフェンスはウリン製。
ここに座って風にそよぐ木の葉を見上げていると、さらさらと小川のせせらぎが聞こえてきます。
見せたくないものは全部この中に。杉皮に青竹の押さえで和の装いに
子供の頃を過ごしたふるさとの景色も時の流れとともに少しずつ変わっていってしまうものです。
しかし、心の中の景色はずっと昔のまま、変わらずそこにあります。
幼き日々、この庭で季節を感じ遊んだ子供たち。大人になり、ふと思い出す懐かしい風景。
その中のひとつにこの庭もあることでしょう。